第10回目のとちぎものリレーは、現代に溶け込むような「本物」の在り方を探求し続ける「蘭と月株式会社」さんをご紹介いたします。

蘭と月さんのお線香は「栃木の線香」として、とちぎの伝統工芸品に指定され、工場長である　樋口喜巳さんは、とちぎの伝統工芸士に認定されています。

代表取締役である　大竹麻実恵さんにお話を伺いました。

　蘭と月は「足利の香り　蘭と月」として、2014年4月に足利市に店舗をオープンしたのが始まりです。

オリジナルの線香・お香は栃木県産の製品に拘りを持っておりましたが、2016年5月にメインの仕入れ先であったお線香製造会社「一心堂」さんが火事に見舞われ廃業を余儀なくされました。

一心堂さんのお線香を使っていたお客様からの「どうにか復活させてほしい」という声が多く、これまで培ってきた技術を活かすことに模索していた一心堂元工場長・樋口さんと相談。

何世紀にも渡って残る本物の伝統工芸として「香りの技術を残したい」思いで一致、共に香りを復活させようと2017年に自社工場を構える決意を固めて新たに会社を設立、2018年にお線香の製造機械が完成しました。

そして同年に栃木市に店舗併設の自社工場が誕生し、現在に至ります。

　蘭と月は栃木の伝統工芸士樋口喜巳の香・線香を伝えるため、2017年に栃木に誕生したお香ブランドです。

この土地で受け継いだ調合技術の伝統と志、長年薫香と向き合ってきた職人の時間を「香り」に託した、正直で自然なお香をお作りしています。

蘭と月の香りの拘りは材料とその品質です。

特にほとんどの蘭と月製品に使われる「根木白檀(根木白檀)」。
世界最高級と言われるインド産の白檀で、力強く養分を吸い上げる根木部分は特に保香性も良く、密度の高い甘味が特徴です。

焚き終わった後の残り香まで印象的になり、静かに優しく香り続けます。
その拘りの根木白檀、老山白檀や沈香香木を基調とし、数十種類の生薬を組み合わせ、調合して蘭と月の香りは生まれます。

ものづくりは人づくり。

今ここにある生き方を真剣に楽しめている人が本当にいいものを生み出せると考えています。
弊社工場長の樋口は、若い頃からの趣味に自転車があり、蘭と月への出勤も時々自宅から約30キロを往復しています。お休みの時は山へ行くことも多く自然の中に自然体の自分を置き、心身を整えているとのこと。そして毎日使っていただけるよう丁寧にいつもの香りを作り続ける。と、日常の大切さを心がけています。

真面目に働くだけではなく、遊びや失敗から多く学ぶことを重んじ、老舗ではないからこそ新しい環境作りに日々励み続けていきたいです。

材料やモノ、使う人を想いながら愛情を込めて作ることを軸に、受け継がれた香文化を守り、未来へ繋ぐ新しい「お香」の在り方を探求し挑戦し続けます。

蘭と月の歴史の中で誕生した製品の一つ「月の香-ツキノカオリ-」が、OMOTENASHI SELECTION おもてなしセレクション2023年年度第一期で金賞を受賞しました。

「月の香-ツキノカオリ-」は、置くだけでほのかに香る月の形のお香です。香木や生薬を材料に自然素材にこだわった優しい香りで、火を使わずにお好みの空間を演出するお香の新しいスタイルをご提案いたします。

栃木から日本国外へ。自然素材、安全性、サスティナビリティを実現しライフスタイルに合わせてお使いいただける「月の香-ツキノカオリ-」で私たちは、新しい「香」の提案と日本の香文化を国内外へ、次世代へ伝えていきたいと考えております。

また、蘭と月の香りは足利店・栃木店の実店舗のほか、委託先の店舗様やインターネットからも購入が出来ます。勿論、とちぎものでも販売しております。

インターネットで当店を見つけて県内外からご注文をしてくださる方たちや、実際に店舗にお越しいただいて、気に入って何度も足を運んでくれる方もいらっしゃいます。

国内外世代間問わず、小さいお子様から香りに興味関心を持って、楽しみながら年を重ねるうちにそれが生活の一部になってもらえたら嬉しいです。

とちぎの線香詰め合わせ　花薫る

静かに届く焚くお線香
伽蘭（からん）・小手毬（こでまり）・茉莉香（まつりか）の３セット
控えめで瑞々しい花束を贈るように
一年を通して人気の組み合わせです。
御進物にもおすすめです。

置くだけで香るお香の第二弾、丸い形が特徴的 な「瑞の香-ミズノカオリ-」は瑞々しい果実のシリーズです。
こちらは甘くさわやかな「苺（いちご）」、

芳醇な「葡萄（ぶどう）」、

すっきりと香る「柚子（ゆず）」、

3種類のみずみずしい香りで、栃木県産の果実をイメージしています。

火を使わないので寝室や玄関、クローゼットに置いておいたり、読書など自分時間のお供にもおすすめです。
「とちぎの香り」で毎日に癒しの時間ができますように。