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朝日屋本店「きんとんまんじゅう」、桝金「生どらやきとちおとめ2倍」、金谷ホテル「百年ライスカレー」

栃木県は、古くから日光や那須高原が景勝地・保養地として栄えてきたこともあり、全国各地から訪れる観光客の舌鼓を打たせてきた食の名店が少なくありません。ここで紹介するのは、創業から100年以上にわたり愛されてきた老舗による自慢の逸品。伝統の味の裏側に隠されたストーリーとともに、栃木の食の魅力を紐解きましょう。

100年守り続けたこだわりの食感。「きんとんまんじゅう」

長年、栃木土産の定番として知られてきたのが、1887年創業の老舗、朝日屋本店の「きんとんまんじゅう」です。1921年から販売されている看板商品で、過去に地元新聞社が行った読者投票や、日経MJが調査した土産品のランキングでも上位に選ばれています。

「きんとんまんじゅう」の特徴は、白いんげん豆の潰しあんを使っていること。小豆であれば潰しあんになることは珍しくありませんが、白いんげん豆は黄身あんや白あんになることが一般的。「きんとんまんじゅう」は誕生から100年以上経つにもかかわらず、同様の商品はまったくと言っていいほど見当たりません。

その理由は、簡単には真似できない製法にあるようです。四代目の齋藤友紀雄さんによると、白いんげん豆は小豆に比べて皮が厚く、粒が残るように炊く加減が難しいと言います。

齋藤:粒を残そうとしすぎると、皮の食感が口のなかに残ってしまい、逆に炊きすぎると粒がなくなり、こしあんと変わらなくなってしまいます。「きんとんまんじゅう」の潰しあんは、食べたときに皮が口のなかに残らないように、圧力がかかる特殊な窯で炊いているんです。

齋藤友紀雄さん

さらにもうひとつの特徴が、あんを包み込む生地のやさしい食感です。その秘訣は蒸す際に布巾を使う、手間暇をかけた昔ながらの製法へのこだわり。理想の食感を出すために譲れないポイントだと言います。

齋藤:布巾の代わりにクッキングシートを使ったほうが工数も減らせて効率的なのですが、布巾のほうが蒸気の抜けがいいので、まんじゅうのヘリが柔らかくなるんです。まんじゅうの上に網目模様がついているのは、布巾を剥がす際に使っている金網の跡。生地の食感を楽しんでもらうために昔からの製法を続けています。

いまでも和菓子の研究会などに足繁く通い、新しい素材も積極的に試しているという齋藤さん。伝統の「きんとんまんじゅう」だけでなく、酵素の働きによって日が経ってももちもちな食感を楽しめる「あげもち」は、関西の百貨店で人気商品に。

もちとチョコによる和洋折衷の「しもつけショコラ」は、バレンタインやホワイトデーシーズンには1日2,000箱以上出荷されることもあるそうです。これからも「伝統は絶えざる革新の連続である」という信条を胸に、和菓子づくりを続けていきたいと語ってくれました。

朝日屋本店

住所

栃木県塩谷郡高根沢町大字宝積寺2368-6

定休日

なし

営業時間

8:00〜18:30

電話

028-675-0030

事業者ページ

https://www.tochigimono.com/blog/producers/tm0120/

栃木のいちごをたっぷり使った「生どらやきとちおとめ2倍」

栃木県は50年以上にわたり、いちごの収穫量が日本一。そのいちごを使って人気商品をつくっているのが、1872年創業の和菓子屋・御菓子司桝金です。

もともとの屋号は「桝屋」で、初代の名前が斎藤金次郎だったことから、いつしか「桝金」の屋号が使われるようになりました。新しいもの好きだった初代は、当時は洋菓子とされていた金平糖をいち早く売るなど、地元の人たちの好奇心を刺激していたそうです。

そんな桝金では古くからどらやきが看板商品となっていましたが、そのどらやきにアレンジを加えた新商品が大人気となりました。それが、栃木名産である「とちおとめ」の完熟ジャムと生クリームを合わせた「生どらやきとちおとめ2倍」です。

販売部長の菊池幸三さんによると、「生どらやきとちおとめ2倍」が誕生したきっかけは意外な人の一言でした。その人とは、サッカー解説者として知られるセルジオ越後さん。地元のアイスホッケーチーム「HC栃木日光アイスバックス」でシニアディレクターも務めています。

菊池:もともとは普通のいちごの生どらやきを売っていたのですが、セルジオ越後さんに食べていただいた際に、「もっといちごの味がしたほうがいい」と助言いただき、2倍の量のジャムを入れることにしました。だから商品名も「とちおとめ2倍」。でも、「とちおとめ2倍」では果肉の原型を残したジャムも使っているので、本当は2倍以上の量が入っているんです。

菊池幸三さん

こうして生まれた「生どらやきとちおとめ2倍」は、口に含んだ瞬間にいちごの甘みが広がり、もちもちした皮との相性も抜群。テレビや雑誌でも数多く取り上げられ、2016年には日本ギフト大賞で栃木賞を受賞するほどのヒット商品になりました。ちなみに通常は常温で30分ほど解凍してから食べますが、夏場は15分程度の半解凍でシャリっとした食感を楽しむのもおすすめです。

もうひとつおすすめしたいのが、「生どらやきとちおとめ2倍」にも使われているジャム「雷都物語」。こちらは贈答用としても人気の商品で、ゴロッとした果実が見えるほど贅沢にいちごを使用。

菊池:「雷都物語」は小豆を蒸すときに使う和菓子屋用の蒸気釜で煮詰めてつくっているんです。ガス釜で煮詰めたものと比べて黒ずみが少なく、口当たりもなめらかだという声を多くいただいています。

パンに塗るもよし、ヨーグルトやアイスクリームにかけるもよし、粘度が低くサラサラしているので紅茶に入れてロシアンティーとして飲むもよし。芳醇で上品な甘さは、そのままで食べてもスプーンが止まらなくなるほどです。

御菓子司 桝金

住所

栃木県宇都宮市戸祭元町1-1

定休日

なし

営業時間

9:00〜18:00

電話

028-650-5030

事業者ページ

https://www.tochigimono.com/blog/producers/tm0011/

大正時代のレシピでつくられた伝統の味「百年ライスカレー」

日光は古くから外国人にも人気の観光地で、日本初の西洋式リゾートホテルが誕生した地でもあります。それが1873年に金谷カッテージインとして創業した、金谷ホテル。ヘボン博士やイザベラ・バードなど歴史上の人物も滞在した記録が残っています。

金谷ホテルは、看板商品である「ロイヤルブレッド」をはじめ、ホテルで提供される料理も有名。なかでも創業130周年を機に復刻された「百年ライスカレー」は、ぜひ味わっていただきたい逸品です。

「百年ライスカレー」は、金谷ホテル創業130年に石蔵から発見された往時のレシピ集をもとに再現したカレー。当初は味が整わずに苦労したそうですが、試行錯誤の末、小麦粉の分量以外はすべてレシピ通りの量目でつくることに成功。

ソテードオニオンに、ブイヨンやフォンドボー、さらにディルピクルスの漬け汁やココナッツミルクなども使われており、甘味・酸味・辛味が見事に調和したコク深い旨みが生み出されました。

当初は百貨店の催事で期間限定のイートインで提供されていましたが、またたく間に好評となり持ち帰りの要望が続出。その要望に応えレトルト化を実現しました。

「百年ライスカレー」のレトルト商品は、ルーと具材が別々にパックされています。その理由について、当時の総料理長・中西健一さんとともに、レトルト化に尽力した金谷ホテルベーカリーの営業本部長・長谷川正さんが説明してくれました。

長谷川:当時の中西総料理長との談話をしたなかで、一般的にカレーは煮込み料理ですが、このホテルのカレーは伝統的にソースとしてつくっていると聞きました。当時は猟師が獲った肉を使っていたので、イノシシ、キジ、鴨など、日によって肉が違いました。だから、どんな具材にも合うオールマイティーなソースとしてつくられていたんです。

長谷川正さん

レトルトで販売されている商品は「ビーフ」「チキン&マッシュルーム」の2種類ですが、ソースとしてつくられているので、好きな具材を足せば、毎回新しい味わいが楽しめることもポイント。日光の金谷ホテルではビーフ、チキン、鴨を具材に、金谷ホテル歴史館カテッジインレストランでは素揚げした野菜やポークカツ、ローストチキン、イノシシ肉のピカタなどを具材に提供されています。

近年、レトルトカレーの進化は著しく、全国各地のカレーが手軽に味わえるようになっています。なかなか遠出ができないという方も、ご家庭でご当地グルメを食べて、旅行気分を味わってみてはいかがでしょうか。

金谷ホテルベーカリー

住所

栃木県日光市土沢992-1(本社工場)

定休日

1月1日、1月2日

営業時間

10:00〜16:00、10:00〜15:00(12月31日)

電話

0288-21-1275

事業者ページ

https://www.tochigimono.com/blog/producers/tm0121/

3店の老舗に共通していたのは、伝統を重んじながらも、そこにあぐらをかくことなく、時代に合わせて常に努力と研鑽を続ける姿勢でした。脈々と受け継がれてきた歴史に思いを馳せながら、栃木が誇る伝統の味をお楽しみください。

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